続トロンプ・ルイユ、の前に

ご無沙汰しておりますが…
ちょっとこれを見て頂きたく!

超絶かっこいいすりおろし器なのです。

知人にこの写真を見せて「どう?かっこいいっしょ」なんて自慢してみたりするのだが、「いやあかっこいいなあ!こんな格好いいすり下ろし器は見たことがないなあ!天才だなあ!」などといたく感心してくれたりして、若干バカにされてる感はあれど、自分的にはとても満足なのです。

先日鋳物屋で購入した純日本製で、大事に使えば下手すると一生ものかもしれないとのこと。あの、時計とか帽子とか眼鏡とかそういうので一生ものってのはあるけど、すりおろし器の一生ものってのはどうなんだろう。これからの人生すりおろし器とともに生きて行くみたいな感じか。

だいぶ前から毎朝大根おろしを食べることにしているのですが、うちには小さな薬味用のおろし器しかなく汁ははみ出るしイライラするし、大量に作ろうとすると冗談ではなく筋肉痛になるんですね。何とかせねばと思い悩んだ末この一生ものすりおろし器を購入したのでありました。

やはりすごいですね。何のストレスもなくしゃかしゃかおろせます。あまりに気持ちよくすれるもんでどんどんすって、そのまま手もすりおろしてしまう勢い。ホラーだなあ。

この先端に行くに従って湾曲してる絶妙な設計を見るにつけ日本製ならではだなあとしみじみ思うのです。


それで、
だいぶ間が空いてしまったトロンプ・ルイユあれこれ。しばらく時間が経った方が考察も深くなるかと思いきや、すでにもう忘れかけてる体たらく。なのですがちょいと一言。

まず、実況。
レース実況のシーンがいくつかあって、僕が担当したところはちょっと通常ではあり得ない事件が起こるんですが、いちばん心掛けたことは、目の前の出来事に心動かされてしまって本来進行するべき仕事に支障が生じてしまうというスリルやリスクを、きちんと捉えるということでした。本来あるべき姿が、回りの強烈な出来事や人物によって変更を余儀なくされること、結果自分が思っても見なかった到達点を発見することがドラマチックということなのであろうと思うのです。なので立ち上がってしまう訳です。拳もまわしてしまう訳です。うるさい訳です。滑舌も大事、早口も大事なんだけどそれ以上に、ただただ圧倒的なすごいものに接した時の感動、心の動きを丁寧に追ってゆくことが一番大切かなと思っておりました。

あとは、足場がガタガタなところから、リスクのあるところから強く出てゆくように心掛けてます。磐石なコンクリートの上から偉そうに叫んでみても響かんのよね。例えば海に浮かんだ板切れにやっとしがみついてるような状態から声を限りに精一杯訴えるから、つい注意がいってしまうんじゃないかと思う。リスクは探してでも側に置いておきたいものです。たまにその大きさに押し潰されてしまうけど。やはり演じ手にとってはああいう見せ場怖いですから。リスクです。

それと全体的なことで。
おもしろいなと思ったのは、演出も俳優もここからが馬、ここは人みたいな区切りをほとんど意識してなかったことです。なんかどっちでもいいんじゃないかなあとか、そのへんはそれぞれでみたいな感じでつくってました。いい加減なようでいて実はとても大人な演出、演技だったんじゃないかと思っています。

それと客演の三人。
山田氏。元劇団山の手事情社俳優。早稲田劇研のドン。僕は早稲田じゃないけど若い頃からずいぶんお世話になっておりました。まさかこの劇団で共演出来るとは思わなんだ。声が特異。どこまでが本気でどこからがすっとぼけているのかわからない。面白い。ありがとうございました!

加藤氏。えと、お馴染みの。劇団ホチキス所属。初演と同役。バンチョーだなあ相変わらず。この人は酒もタバコもやりません。メインレースが終わった後の人気のない最終レース、バンチョーの走りを見てみたかったなあ。

諫山氏。お互い二十歳前後の時から様々な舞台で共演。劇団ブラジル所属。昔から基本ふざけてばかりの人ですが、今回は随分真摯に取り組んでおられました。それにしても馬面だよなあ。

んな感じで。遅くなりましたが。


しばらく芝居から遠ざかっていたのですが、なんと明日から「Das Orchester」稽古です。

それでは、また!