太宰’ズ


本ですが、
太宰ばっかり。

次にやる舞台のモチーフは『逆行』という短編で、これは「晩年」という初期作品集におさめられています。太宰治の作品はおおまかに言って初期、中期、後期の三つのブロックに分類できるようで、斜陽とか文学的に完成度の高いとされる作品は後期、メロスやキリギリスなどは情死未遂以降最も創作に意欲的だったとされる中期の作品、初期の作品は実験的でかなり角が立ったものが多いように思われます。

処女作品集がいきなり『晩年』。ちょっと混乱するけど遺書のつもりで書いたものらしいのですね。

昔有名どころの作品は一通り読んでいたはずなのですが、短編の内容はほとんど記憶になく、舞台で扱うからとりあえず「晩年」だけ読み返してみるかと思って読んでみたらこれが、

非常に面白く、

ブックオフとかで集めて来てざーっと読んでしまいました。

太宰治というと強烈でどちらかというと暗いイメージがあったのだけど、今読んでみるといろんな些細なエピソードがかなり身近なものに思え、何よりもかなり笑えるのですよね。こんなにユーモアに溢れてたっけかなぁとか思いました。

とりわけ女性一人称で語られる独白みたいな作品がお気に入りで、『女生徒』とか『キリギリス』とか『皮膚と心』とか。

読み手に直に語りかけてくるような、「頼みますからっ!どうかわたしの話を聞いてちょうだい!」的な、迫り来るような、圧倒的な迫力があるんですよね。

『キリギリス』はとても秀逸だと思いました。世渡りが下手なボクトツとした画家崩れの男と結婚した女の独白で、やがて画家として頭角を表しつつも、世俗にまみれて嫌な感じになってゆく夫を猛烈に批判するんですね。なるほどよく解る!と思って女の方に感情移入して読みつつも、後半になってあれちょっと待てよと、なんか女の方の男に対するこうあって欲しいみたいな縛りの方が、男のだらしなさや教養のなさよりもあさましく思えてくるんですね。女の一方的な話なので男が悪く見えてくるのは当然なのですが、なんかこれは語れば語るほど女が怖く醜く思えてくるような、
そういう感じなのです。

すみません長々と。ブログを新しく始めたから完全にうかれぽんちになって調子に乗っているのです。お笑い下さい。

次は『逆行』について書けたらと。

ではまた。

あ、全然関係ないけど生津さんが重版出来に出るそうな。確か今日だったような。
見てみよっ。